
推しぬいの刺しゅうは完成したけど
・近くで見ると糸のボソボソした毛羽立ちが気になる
・糸色のバランスがいまいちな気がする
など、ぬいの刺しゅうを実際に進めてみると、疑問や悩みを抱えることはありませんか?
ぬい作りの楽しさは、キレイに縫い上げる刺しゅうの技術だけではありません。
今回は「失敗したかも?」というときの救済方法や次の一歩に進むためのヒントやコツについて平栗あずささんにQ&A形式でお話を伺いました。
初心者向け!ぬいぐるみお顔刺しゅう
失敗対策&コツ Q&A集
お顔の刺しゅうを実際にはじめる前に知っておきたい、キレイに仕上げるコツについては前回のQ&Aでご紹介しています。
「刺しゅうについてヒントが欲しい…」方はぜひご覧ください。
◆推しぬいのお顔刺しゅうQ&A|平栗あずささんに聞くぬいのお顔刺しゅう糸のコツ【動画あり】
https://www.kiyohara.co.jp/store/blog/column/20260302_1_product_oshinui
推しぬいのお顔刺しゅうで 困ったときの考え方とヒント
お顔の刺しゅう、挑戦してみたけど失敗したかも?
もしかしてうまくいっていない…というときの救済方法について聞いてみました。
刺しゅうを失敗したときの救済方法と考え方
“可愛く仕上がる”救済の考え方とは?
ずっと手元で刺していると粗が目立って「下手だな」と自信をなくすことがありますが、ちょっと離れて見てみると「大丈夫だった」ということはよくあります。
刺す時は手元を見ながら進めて、仕上がったぬいは離れたところから見て、甘く評価してみるのも精神衛生上よいかなと思います。
もし納得できない部分があったら糸を切ってリカバリーしてもOKです。
刺しゅう初心者の方でも、ぬいぐるみ1~2体分刺すとだんだんコツがつかめて安定してくると思います。
刺しゅうをやり直す基準はある?
刺しゅうの仕上がりにどうしても納得できず、このままでは愛せないと感じたら、諦めてもう一体やり直した方がよいと思います。
ただあまり神経質になってしまうと辛くなってしまうので、おおらかな気持ちで判断してください。
刺しゅうをしていて気づいた “新発見” とは?
刺しゅう糸は繊維の束が縄のようになっていて、よく見ると撚りがかかっているんですよね。
刺しゅうしているうちに撚りがゆるんでほつれたり、逆にねじれが強くなってギチギチに硬くなったり、撚り加減が変わっていきます。
特にサテンステッチは同じ撚り加減を保って刺しゅうするとすごくキレイに仕上がります。
余力があれば刺しながら撚りをこまめに整えてみてください。微妙な差ですがツヤがより際立つと思います。
ワンランク上のぬいのお顔刺しゅうを楽しむコツ
刺しゅう糸のカラーバランスのとり方やモチーフのデザイン方法など、次の一歩につながるヒントを伺いました。
初めて刺しゅうの図案を起こすとき、注意したいポイントは?
刺しゅうを始めた頃はデザインを細かく描きすぎて、キレイに刺しゅうができないことはありました。
下絵だけなら何でも描けるのでつい詰め込みすぎてしまうんです。
刺しゅうはテクスチャーが豊かなので、絵の段階で「寂しいかな?」くらいのシンプルさに留めておいた方がキレイに仕上がるかなと思います。
刺しゅうするパーツの色設計のポイントとは?
私がお顔パーツの色設計をするときは、あまり顔色が悪くならないように気をつけています。
肌が色白であれば鼻や目尻の粘膜、二重のラインはピンクっぽい血色のよい色を選んでいます。
逆にあえて顔色を悪く見せたいときは、少し青白い色や紫がかった色を選んでみるのもありです。
ピンクにもさまざまな色合いがあるので、実際に手芸店に布を持って行って刺しゅう糸と合わせて選んでみるのもおすすめです。
絶対にこの色で刺さなきゃダメというわけではないので、好きな色で刺しゅうしてみてほしいなと思います。
ラメ糸はどのように使うと効果的?
キラキラと光るラメ糸はほかの刺しゅう糸と比べて若干太いので、塗りつぶす部分には使いにくいかもしれません。
色付きのラメ糸をアイラインで使用したり、ハイライトとしてワンポイントで使うのがおすすめです。
失敗が“成功”になることも?
糸色を選んでいる段階で想像したものと、実際に刺してみると、糸の光沢や生地との相性で印象が少し変わることもあります。
想像していたのとは違っても、完成品の方がむしろよかったということもあります。
平栗あずささん×刺しゅう
平栗あずささん自身の刺しゅうの経験や刺しゅうへの想いを聞いてみました。
刺しゅうを始めたきっかけは?
2022年に初めて推しぬいの作り方の本『てづくり推しぬいBOOK』(グラフィック社)を出版したときは「刺しゅうをしたい方は自分でなんとか頑張ってね」って感じでお茶を濁してたんですけど、そこから「刺しゅうのやり方を知りたい」という声をいただいたんです。
それまで私自身があまり刺しゅうが得意ではなく、練習し始めたのがきっかけです。
刺しゅうは子どもの頃に多少やったことはあったんですけど、しっかりやるぞと思ったのはぬいのお顔が初めてでした。
平栗さんの刺しゅう道具のこだわりは?
刺しゅう針はよいものを使うようにしています。
適当な針だと先がブレたり曲がったりしてしまいます。
あとは針の太さは糸の本数に合っていることが大切です。針が太すぎると丁寧に刺しても仕上がりが大雑把になってしまうことがあります。
刺しゅう糸についても、安価すぎると繊維が粗くボソボソしやすいので、初心者こそ手芸屋さんで売られている刺しゅう糸を使ってほしいなと思います。
刺しゅうならではの良さとは?
ぬいぐるみの目はワッペンを貼ったりボタンを付けたり、刺しゅう以外の方法でも可愛く作れますが、自分の好きなデザインや好きな色で表現したいとなると刺しゅうがベストかなと思います。
自分なりのオリジナリティを出したいという方は、ぜひ刺しゅうに挑戦してみてほしいです。
初心者が挫折しない “最初のモチーフの選び方” は?
自分が楽しいと思えるモチーフを縫うのが一番上達できると思います。
もし簡単なものから始めたいということでしたら、寝ている顔や目を閉じている顔、ウインクは取り掛かりやすいので、初心者の方はそこから挑戦してみるとよいかなと思います。
今後どんなものを刺しゅうしたい?
ぬいぐるみのボディにもキレイに刺しゅうする方をSNSで見かけるたびに、いつも「素敵だな」と思っています。
いざ自分でやろうと思うと大変そうなので今回は見送ろうかなと思いつつ…でもいつかはやってみたいです。
糸+図案がセットになった「ぬいのお顔刺しゅう糸」
ここまで、刺しゅうに向き合う考え方や色設計のヒントを伺ってきました。
そんな『推しぬい』シリーズ監修の平栗あずささんが組み合わせた10色の刺しゅう糸と図案のセットが「ぬいのお顔刺しゅう糸」です。
商品の説明書にはロングアンドショートステッチやサテンステッチなどのおすすめ技法名も記載されています。手順通りに刺し進めるだけで、初心者さんでも失敗しにくく、かわいい“推しぬい刺しゅう”を再現できます。
パステル(PA)
うるっとした瞳のデザインとパステルカラーの糸色で、ドリーミーでふんわりとした雰囲気に仕上がります。
レッド(R)
黒の瞳孔でシャープに引き締めたデザインと赤色をメインとした糸色配色。キリッとした目元が特徴的です。
ブラウン(BR)
落ち着きある茶系でまとめた目元に、八重歯がポイントの可愛らしいデザイン。ナチュラルな印象に。
ブルー(B)
透明感のあるブルーのグラデーションでまとめた目元。涼しげな色合い×まつ毛でキレイめな表情に仕上がります。
パープル(PU)
パープルのグラデーションにくすみカラーを加え、濃淡のコントラストで表情を際立たせクールな印象に。
検討段階ではこんなカラー案も
今回のカラー展開を決めるまでには、実はほかにも配色案がありました。
印象をがらりと変える配色や、より個性的な色合わせなど、組み合わせ次第でまだまだ表情は広がります。
そうした色の組み合わせは、書籍に掲載されている図案や糸色の考え方を参考にすることで、ご自身でもアレンジを楽しめるかもしれません。
刺しゅうのコツ・図案をもっと詳しく知りたい方へ
~書籍のご紹介~
◆著者:平栗あずささん…ぬいぐるみパタンナー/デザイナー。清原オリジナルブランド『推しぬい』を監修。
お顔の刺しゅうについて
「ぬいのお顔手刺しゅうLESSON」(グラフィック社)
ぬいぐるみ刺しゅうの基本のテクニック、ぬいのお顔の図案が紹介されています。
刺しゅうの進め方や技法について詳しく知りたいという方は、書籍をチェックしてみてくださいね。
図案・推しぬいボディ作りについて
「てづくり推しぬいwawaちゃん」(グラフィック社)
wawaちゃんボディの作り方、10種類の髪型と28種類のお顔図案が紹介されています。
「てづくり推しぬいBOOK」(グラフィック社)
15種類の髪型と3サイズのボディの作り方が紹介されています。
推しぬいの作り方や刺しゅうのテクニックなど、書籍にはぬい作りのコツがたっぷり!
書籍を参考に自分のアイデアをぜひ推しぬい作りに活かしてくださいね。
平栗あずささん実演 ぬいのお顔刺しゅうの工程はYouTubeで
ぬいのお顔刺しゅう糸を使った実際の工程をYouTubeにて動画公開しています。
刺しゅうの進め方を分かりやすく解説していますので、気になる方はぜひご覧ください。
推しぬいの刺しゅうは、考え方ひとつで楽しさが広がります。
ほかの記事もぜひ参考にしてみてください。
※本記事内の手元および完成作品は、制作協力として平栗あずささんにご提供いただきました。





